着物と人

着物というのは、着物だけが綺麗だけでは実は綺麗に見えないのが不思議。

フランス料理は、マナーを守ってアートのような料理を堪能することで成り立つように

着物もまた、美しい着物を着ただけでは実は綺麗に見えない。

着物に伴い髪型にしかり、履物にしかりと付属の小物達もアクセントとなり着物を際立たせていると同時に

着物を着た人側にも工夫が必要となる。

立ち姿・・・ピンと伸びた背筋

手元・・・指をなるべく閉じて、小さな手が綺麗とされ、舞妓なども写真を撮る際には手を袂で隠す。

歩き姿・・・歩幅を少し少なめにし、上半身を動かさず歩く。

などなど人にとっては、着物がいわば養成ギブスのようなものにも思えてきそうであるが、そのギブスのおかげで

人も着物にふさわしい人間となる。

座る、車に乗る、手すりに摑まる、奥の物を取るなどなどの所作にも着物ならではの所作があり

その所作をすることにより、美しい着物姿が完成する。

近年、洋服の日本であるが、洋服では人を自由に気持ちよくさせたが、それ以外はない。

戦後、アメリカが、日本の制服を着物から洋服にさせたのは、意味があってのことだろうか・・・今となっては

意味があるようにも思える。